親の入院や葬儀のあと、「うちの親、どんな保険に入っていたんだろう」と探し回った経験はありませんか。証券がどこにあるかわからない、保険会社に電話してもなかなか進まない——うちの親が亡くなったときは幸いにも手記を残していてくれたおかげで探し回らずに済みました。今日は「ら・し・さノート」の生命保険の覚書のページを開いて、一緒に書き進めてみましょう。
① まず「3人の登場人物」を書き出す
生命保険には、かならず3人の登場人物がいます。これがあいまいだと、いざというとき家族が手続きで戸惑ってしまいます。逆に言えば、この3つさえ書き出しておけば、覚書の半分は完成したようなものです。
「被保険者」は保険の対象になっている人、「契約者」は保険料を払っている人、「受取人」は保険金を受け取る人です。たいていは契約者と被保険者が同じ(たとえばご主人がご自身に保険をかけている)ですが、夫婦で契約者を分けている場合もあります。証券を見ながら、ひとつずつ確かめてみてください。
覚えておきたい3つの役割
・被保険者=保険がかけられている人
・契約者=保険料を払っている人
・受取人=保険金を受け取る人
② 受け取る人によって「税金」が変わる
ここが今日のクイズのポイントです。死亡保険金は「誰が契約して、誰が受け取るか」の組み合わせで、かかる税金の種類が変わります。たとえばご主人が契約者かつ被保険者で、奥さま(相続人)が受け取る場合は相続税の対象になります。一方で契約者と受取人が同じ人なら所得税、3者がすべて別々だと贈与税、というように扱いが変わるのです。
そして相続人が受け取る死亡保険金には、相続税の非課税枠があります。「500万円 × 法定相続人の数」までは税金がかからない、という心強い仕組みです。たとえば法定相続人が3人なら1,500万円まで非課税となります。これは証券に書いてある死亡(高度障害)保険金額をみれば事前対策はできそうです。
死亡保険金の非課税枠
相続人が受け取る死亡保険金は
「500万円 × 法定相続人の数」まで相続税がかかりません。
③「本人が請求できない」ときに備える
意外と見落とされがちなのが入院給付金です。入院や手術に備えて加入していても、肝心のときに本人が認知症や意識のない状態だと、自分で請求の手続きができないことがあります。せっかくの保険が使えないまま、ということになりかねません。
こうした事態に備えて、多くの保険には指定代理請求人という制度があります。あらかじめ家族などを登録しておけば、本人が請求できないときに代わりに手続きできる仕組みです。私の親も、この指定代理請求人に息子である私を指定してくれていたおかげで、難なく請求することができました。ら・し・さノートには「指定代理請求人は誰か」「保険証券はどこにあるか」を書く欄は設けていませんが、P.21の下にその他がありますので、わかる範囲で書いておくと、家族がずっと動きやすくなります。
指定代理請求人を決めておくと…
本人が請求できない状態でも、登録した家族が
代わりに入院給付金などを請求できます。保険会社に確認してみましょう。
まとめ:証券を見直そう
「自分が加入している保険証券の内容をよく知らない」という方も実は多いものです。でも保険契約の中には多額の保険金や入院給付金、そして毎月いくら支払っているのかなど、とても重要なことがたくさん記載されています。ら・し・さノートP.21はその証券の内容を確認することができるチャンスでもあります。大きなお金が動くものですからしっかり確認しておくことをお勧めします。
そのうえで、被保険者・契約者・受取人の3つだけ先に書き写す。これだけでも、家族にとっては大きな安心になります。わからない欄があれば、迷わず保険会社に確認しましょう。保険の見直しを考えたいときは、ファイナンシャル・プランナーに相談するのもおすすめです。記入欄が足りなければ、ノートのページをコピーして使えば大丈夫ですよ。
この記事で取り上げた「ら・し・さノート」は、NPO法人ら・し・さが提供しているエンディングノートです。書き方の見本と記入欄がセットになっていて、終活をはじめて意識し始めた方でも書き進めやすい内容になっています。
▶ ら・し・さノートの詳細はコチラ【参考文献】特定非営利活動法人ら・し・さ『ら・し・さノート』/『終活アドバイザー講座~自分らしく今を生きる』
【画像出典】yahooフリー素材から引用
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