ペットの終活~最後まで責任を持つために~

⭐ 今日のクイズ

遺言書に書いておけば、ペットに直接お金や財産を残すことができる。〇か×か?
犬や猫は、いまや大切な家族の一員。
癒しをくれて、心の支えにもなってくれる存在です。

でも、もし自分が入院したら。
もし、自分のほうが先に逝ってしまったら。
この子の世話は、誰がしてくれるのだろう。
今日は、ペットと自分の「もしも」に備える終活についてお話しします。

①ペットを飼うということ、その責任

ペットは、心と体の両面に良い影響を与えてくれる存在です。
わが子のようにかわいがり、家族同然に暮らしている方も多いでしょう。

その一方で、飼い主には責任もあります。
動物が嫌いな人やアレルギーの人もいます。
散歩のときはリードをつける、夜中に鳴き続けないようにする。
こうしたマナーは、最低限の心がけです。
予防接種の中には、人への感染を防ぐために法律で義務づけられているものもあります。

そして、見落としがちなのが医療費です。
動物病院には公的な健康保険がないので、医療費は全額自己負担。
1回の受診で数千円〜数万円、手術や入院となると、人間より高額になることもあります。
こうした備えとして、ペット保険や共済も増えています。

私自身、以前は猫5匹と暮らしていました。
全員が15年ほど生き、最後まで面倒を見ました。

思い出すのは、毎週末の買い出しです。
フードに、トイレの砂。
5匹分ともなると、指がちぎれそうなほど重い荷物を、毎回持ち帰っていました。

そして、医療費。
生後半年ごろの去勢・避妊手術にはじまり、年老いてくると、どの子も病気がちになります。
ある子は、鼻の腫瘍が大きくなって喉を圧迫し、食事ができなくなって旅立ちました。
ある子は老衰で食べられなくなり、自宅に点滴の機械を置いて、皮膚から水分を入れていました。

ある子は、夜に急に動かなくなって、動物の救急病院へ。
「覚悟してください」と言われ、高濃度の酸素部屋で数日過ごしました。
一命はとりとめましたが、かかった費用に、目が飛び出るほど驚いたのを覚えています。

💡 ポイント

動物病院の医療費は全額自己負担。
手術や入院は高額になることも。
ペット保険で治療費の5〜7割をカバーできる場合があります。

当時、まわりからは「ペット保険に入っとけばよかったのに」とよく言われました。
でも、その頃にはもう、みんな高齢。
保険に入る意味は、ほとんどありませんでした。

ファイナンシャルプランナーの視点から、ひとつお伝えしたいことがあります。
保険が役立つのは「起こる確率は低いけれど、起きたら損失が大きい」ことに備えるときです。

でも、年齢を重ねれば、人もペットも病気になるのは当たり前のこと。
「いつか必ず起こること」は、そもそも保険の前提に当てはまりにくいのです。
だからこそ、ペット保険を考えるなら、若く健康なうちに、が鉄則です。

そしてもうひとつ。
ペットは、どうしても医療費が高くつくもの。
それを払えない状況なら、安易に飼ったり、拾ったりしてはいけない。
最後まで責任を持てるかどうか。
迎える前に、それを自分に問うことが、何より大切だと思います。

②世話ができなくなったときに備える

犬や猫の寿命は、平均で10〜15年。
近年は飼育環境がよくなり、20年近く生きる例もあります。
うれしいことですが、その分「自分が最後まで見られるか」を考える必要があります。

特に高齢の方や一人暮らしの方は、自分の入院や万一のときに備えておきたいところ。
飼い主がいなくなったペットは、引き取り手が見つからなければ、つらい結末を迎えることもあります。
だからこそ、元気なうちに「自分の代わりに世話をしてくれる人や施設」を探しておくことが大切です。

身近に頼れる人がいない場合は、老犬ホーム・老猫ホームや、動物愛護団体に相談する方法もあります。
生涯にわたる飼育を引き受けてくれるところや、入院中の一時預かりに対応してくれるところもあります。
ただし費用がかかるので、事前の見学や問い合わせが欠かせません。

💡 ポイント

ペットの寿命は延びています。
「最後まで見られるか」を考え、世話を頼める人・施設を元気なうちに探しておく。

③お金を残す方法~負担付き遺贈とペット信託~

ここで知っておきたいのが、ペットにお金を残す方法です。
大事な前提があります。
ペットは法律上「物」として扱われるため、相続人にはなれません。
つまり、ペットに直接、財産を残すことはできないのです。

では、どうすればいいのか。
代表的な方法が2つあります。

ひとつは「負担付き遺贈」。
「世話をしてくれることを条件に、この財産を渡します」という内容の遺言を残す方法です。
比較的手軽ですが、相手に放棄されると、世話をする人がいなくなってしまう弱点があります。

もうひとつが「ペット信託」。
信頼できる人に飼育費を託し、ペットのために使ってもらう仕組みです。
飼い主が亡くなったときだけでなく、入院や認知症など、生前のもしものときからカバーできるのが大きな強みです。
ただし、契約や管理に費用がかかります。

どちらを選ぶにせよ、遺言の内容を実行する「遺言執行者」を決めておくと安心です。
そして、世話を頼む人、かかりつけの動物病院、健康状態など、伝えておきたいことはエンディングノートに書いておきましょう。

💡 ポイント

ペットに直接財産は残せません。
「負担付き遺贈」か「ペット信託」を使います。
生前のもしもまで備えたいなら、ペット信託が安心です。

まとめ|最後まで一緒にいるための備え

ペットを迎えることは、その命を最後まで預かるということ。
そして、自分の「もしも」に備えておくことも、飼い主の大切な責任です。

難しく考えなくて大丈夫です。
まずは、ペットの写真を見ながら、思いを書き出してみてください。
「この子の好きなフード」「かかりつけの先生」「もしものとき頼みたい人」。
そんな小さなメモが、いざというときにこの子を守る、確かな備えになります。

⭐ クイズの答え

答えは×です。
ペットは法律上「物」として扱われるため、相続人や受遺者になれず、直接財産を残すことはできません。
「世話をする代わりに財産を渡す」という負担付き遺贈や、飼育費を託すペット信託といった方法で、ペットの将来を守ります。
📗 ら・し・さノートについて

「ら・し・さノート」には、ペットのことを書き残しておくページがあります。
健康状態、かかりつけの動物病院、もしものときに世話を頼みたい人。
書いておくことが、言葉を話せないこの子を守ることにつながります。

▶ ら・し・さノートの詳細はコチラ

【参考文献】特定非営利活動法人ら・し・さ『ら・し・さノート』/『終活アドバイザー講座~自分らしく今を生きる』
【画像出典】yahooフリー素材から引用

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