ら・し・さノート~貯蓄を書き残す

⭐ 問題

iDeCoはいかなる場合でも60歳まで引き出すことはできない。〇か×か?

〇 どんな場合でも60歳まで引き出せない
× 例外的に60歳前に受け取れるケースがある

(答えは記事の最後に!)

「うちは大した財産もないし、貯蓄のページなんて書くことないわ」——そう思っていませんか?

実は、残された家族が一番困るのは「大きな財産」の行方ではなく、「どこにどんな口座があるのか」がわからないことだったりします。今回は、ら・し・さノートのP.16〜P.17「貯蓄」ページを一緒にのぞいてみましょう。

まず「自分がどの口座を持っているか」を書き出す

銀行って、気づいたら名前が変わっていたりしますよね。合併や統合で「あれ、ここどこの銀行になったんだっけ?」と通帳を見て首をかしげた経験、ありませんか。

ら・し・さノートの貯蓄ページには、金融機関名・支店・口座番号・種類などを書き込む欄があります。銀行だけでなく、証券会社・投資信託・外貨預金も忘れずに。意外と「そんな口座あったっけ」というものが出てくるものです。

また、長年使っていない口座はこの機会に整理しておくのもおすすめです。残高が少しでも残っていると、相続手続きのときに思わぬ手間になることがあります。

新NISAを持っている方へ——ひとこと添えておきましょう

最近、新NISAを始めた方も多いですよね。ら・し・さノートの「その他」欄に、「NISA口座あり」と一言書いておくだけで、家族への伝わり方がぐっと変わります。

ひとつだけ知っておいてほしいことがあります。NISAの非課税の恩恵は、残念ながら相続には引き継がれません。名義人が亡くなると口座は終了し、資産は課税口座に移されてから相続の手続きになります。「非課税のまま渡せる」と思っていた方は、ちょっとだけ頭に入れておいてください。

📝 書き方のヒント
口座を開設している金融機関名と、「つみたて投資枠」「成長投資枠」のどちらを使っているかをメモしておくと親切です。

iDeCoも書き残せます——加入者番号を忘れずに

iDeCoは通帳がなく、書類も少ないので「どうやって書けばいいの?」と迷う方が多い印象です。

書いてほしいのは、加入者番号・運営管理機関(どの証券会社や銀行か)・コース名の3つ。これだけあれば、万一のとき家族が問い合わせできます。

なお、「iDeCoは絶対に60歳まで引き出せない」と思っている方、実は例外があります。クイズの答えのところで詳しく触れますね。

ネット銀行・ネット証券——存在を知らせておくことが大切

ネット銀行やネット証券は通帳がありません。つまり、家族がその存在を知らなければ、口座があること自体気づかれないまま……ということが起きます。

IDやパスワードをそのまま書くのはセキュリティ上おすすめできませんが、「○○銀行のネット口座あり」と一行書いておくだけでも十分です。詳細は別の場所に保管して、その在処をノートに記しておく方法もあります。

知っておきたい——亡くなると口座は凍結されます

家族が亡くなったとき、銀行はその事実を知った時点で口座を凍結します。引き出しも、公共料金の自動引き落としもできなくなります。「葬儀費用をすぐに引き出せなかった」という話は、決して珍しくありません。

2020年の法改正で、手続きをすれば相続人が一定額を仮払いとして引き出せるようになりました。ただし手続きには時間がかかります。ら・し・さノートに口座情報を書き残しておくことで、家族が早めに動けるようになります。

📝 ひとこと
葬儀費用の目安となる現金を手元に準備しておくことも、ひとつの備えです。

互助会積立をされている方へ

冠婚葬祭の互助会に加入している方は、加入者番号とコース名をノートに書いておきましょう。家族が「そんなの入ってたの?」とならないように。

これから加入を検討されている方は、勧められるままではなく、サービスの内容をご自身でしっかり確認してから決めることをおすすめします。

まとめ

貯蓄のページは「大きな財産がなければ書かなくて良い」ではありません。たとえ少額でも、どこに・何の口座があるかを書き残すだけで、残された家族の負担はぐっと軽くなります。

  • 持っている口座をすべて書き出す(使っていない口座は整理を)
  • 新NISAは金融機関名と口座の種別をメモ
  • iDeCoは加入者番号・運営機関・コース名の3点セット
  • ネット口座は「存在を知らせる」だけでもOK
  • 口座凍結に備えて、手元にある程度の現金を
  • 互助会は加入者番号とコース名を記載

「書くことないわ」と思っていたページほど、いざ書き始めると意外と埋まっていくものです。まずは思い浮かぶものから、ひとつずつ書いてみてください。

⭐ クイズの答え

× 例外的に60歳前に受け取れるケースがある

iDeCoは原則60歳まで引き出せませんが、「加入者が亡くなった場合」「高度障害状態になった場合」は例外です。亡くなった場合は遺族が「死亡一時金」として、高度障害の場合は本人が「障害給付金」として受け取れます。だからこそ、ら・し・さノートにiDeCoの情報を書き残しておくことが大切なのです。


「ら・し・さノート」について

このブログでもたびたびご紹介している「ら・し・さノート」は、NPO法人ら・し・さが監修したエンディングノートです。今回の貯蓄ページのように、書き方の見本つきで無理なく記入できる構成になっています。「何を書けばいいかわからない」という方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

ら・し・さノートの詳細はコチラ


参考文献
特定非営利活動法人ら・し・さ『終活アドバイザー講座〜自分らしく今を生きる』(執筆・監修)/ら・し・さノート
金融庁「NISA特設ウェブサイト」/iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)

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