「ねんきん定期便」が届くのは、次のうちどのタイミング?
① 毎年4月に一斉に届く
② 毎年、自分の誕生月に届く
③ 65歳になったとき一度だけ届く
そんな漠然とした不安を抱えている方は、多いのではないでしょうか。
不安の正体は、たいてい「見えていないこと」です。
収入と支出、そして使える財産を一度きちんと書き出してみる。
それだけで、ぼんやりした不安が、具体的な「対策できること」に変わります。
今日は、老後のお金を見える化する3つのステップをお話しします。
①まず「収入」と「支出」を調べる
最初のステップは、収入を知ることです。
多くの方にとって、老後の収入の柱は公的年金です。
自分が将来いくら受け取れるかは、毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」で確認できます。
企業年金や個人年金、国民年金基金などに加入していれば、それも収入に加わります。
まずは、自分と配偶者がどんな年金をいくら受け取れるか、表にしてみましょう。
次に、支出を予想します。
2024年の総務省・家計調査によると、65歳以上の無職世帯の1か月の平均生活費は、一人暮らしで約15万円、夫婦で約25万円です。
まずは2〜3か月、家計簿をつけてみる。
そして、平均と比べて多いか少ないかを確かめます。
家計簿が面倒なら、通帳の引き落としやクレジットカードの明細から、おおまかに把握するだけでも十分です。
私自身は、スマホに家計簿アプリを入れて、定期的に支出をチェックしています。
アプリだと自動で集計してくれるので、紙の家計簿より続けやすいんです。
続けてみて、ひとつ発見がありました。
わが家の食費が、支出全体の22.3%を占めていたのです。
この「支出に占める食費の割合」を、エンゲル係数といいます。
高いのか低いのかの、よい目安になります。
2024年の全国平均は約28%。
65歳以上の世帯では約30%と、近年は物価高の影響で上昇傾向にあります。
それと比べると、わが家の22.3%は少し低めだと分かりました。
こうして数字にして、平均と比べてみる。
すると「ここは少し見直せるな」「ここは大事にしたいな」と、具体的に考えられるようになります。
これが、見える化の効果です。
収入は「ねんきん定期便」で確認。
支出は2〜3か月の家計簿か、通帳・カード明細でおおまかに把握。
まずは現状を「数字」にすることから。
②「将来家計簿」で足りるかを確認する
収入と支出が見えたら、次は「将来家計簿(キャッシュフロー表)」です。
1年間の収入と支出の合計を書き出して、お金が足りるかどうかを確認します。
高齢期のお金で何より大切なのは、シンプルです。
「普通に生活していて、お金が足りなくならない状態を保つこと」。
年金中心の暮らしでは、現役時代のように収入を増やすのは難しいからです。
もし将来家計簿で「足りない」と分かったら、早めに対策を考えましょう。
- 十分な貯蓄があれば、取り崩して不足分に充てる
- 保険や通信などの契約を見直す。家賃の安いところへ住み替える
- 日々の節約を心がけ、将来の支出を見直す
大事なのは、足りないと「事前に」気づけること。
その時間の余裕こそが、いちばんの備えになります。
将来家計簿は、1年間の収入と支出を書き出すだけ。
「足りない」と早めに気づければ、対策する時間が生まれます。
③「使えるお金」と「残すお金」に分ける
最後のステップは、財産の整理です。
年金だけでは足りない生活費、大きな旅行、家のリフォーム。
こうした出費は、これまで貯めてきたお金から出すことになります。
そこで、自分の財産がどこに、いくらあるのかを調べて、一覧表を作ります。
預貯金、保険、不動産。
総額が見えたら、それを「使ってよいお金」と「有事のために残すお金」に分けていきます。
金融機関ごと、あるいは通帳ごとに使い道を分けておくと、わかりやすくなります。
自宅などの不動産は、誰かに残すのか、それとも住み替えのときに売却してお金に換えるのか。
方向性だけでも考えておくと、いざというときに迷いません。
私の場合、余剰資金というほどではありませんが、将来の老後資金のために、毎月一定額をNISA口座へ積み立てています。
「残すお金」をただ置いておくのではなく、少しずつ育てていく。
無理のない範囲で、自分なりの備え方を選んでいます。
ただし、投資には値動きのリスクがあります。
大切なのは、生活に必要なお金まで投資に回さないこと。
「使うお金」と「残すお金」を分けたうえで、余裕のある範囲で取り組むのが基本です。
ひとつ注意点があります。
財産の一覧表と、エンディングノートは分けて考えてください。
エンディングノートは人の目に触れる可能性があるので、口座の残高や暗証番号そのものは書かないのが基本です。
ノートには「どこに、どんな種類の財産があるか」までにとどめ、詳しい金額は別の安全な場所で管理しましょう。
財産は「使うお金」と「残すお金」に分ける。
エンディングノートには残高や暗証番号は書かず、「ありか」だけを記す。
まとめ|見える化が、不安を安心に変える
収入を調べ、支出を予想し、財産を整理する。
この3ステップで、老後のお金は「見える」ようになります。
とはいえ、いきなり全部やろうとすると、気が重くなるもの。
そんなときは、まず通帳を1冊、引き出しから出してくることから始めてみてください。
残高をながめて、年金の通知をとなりに置く。
それだけでも、「わが家のお金」が少しずつ姿を見せてくれます。
答えは②「毎年、自分の誕生月に届く」です。
ねんきん定期便は、公的年金の加入者に、毎年の誕生月(1日生まれの方は前月)に届きます。
多くははがきですが、節目の年には封書で詳しい記録が届きます。届いたら、ぜひ中身を確認してみてください。
「ら・し・さノート」には、収入や財産の「ありか」を書き残しておくページがあります。
金額そのものではなく「どこに何があるか」を記しておくこと。
それが、自分にとっての安心と、残された家族の助けになります。
▶ ら・し・さノートの詳細はコチラ
【参考文献】特定非営利活動法人ら・し・さ『ら・し・さノート』/『終活アドバイザー講座~自分らしく今を生きる』/総務省「家計調査(家計収支編)2024年」
【画像出典】yahooフリー素材から引用
50代から始める「自分らしい」老後の設計図~後悔しない終活ロードマップ 
