終活で整理する人間関係~親族・友人・保証人~

⭐ 今日のクイズ

入院や施設入居のとき、保証人に求められる役割として「正しくないもの」はどれ?

① 治療方針への同意・判断のサポート
② 費用が支払われないときの肩代わり
③ 本人の財産をすべて管理する義務
終活というと、お金やモノの整理を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、意外と見落とされがちなのが「人間関係の整理」です。

いざというとき、誰に頼るのか。
誰に連絡してほしいのか。
今日は、親族・友人・保証人という3つの視点から、人とのつながりの整理についてお話しします。

①まずは「親族」を確認する

親族とは、血縁や結婚でつながった人間関係のこと。
手術のときの同意、亡くなったときの遺体や遺骨の引き取り、相続の手続き。
こうしたことは、原則として親族が行うことになります。

いざというとき、誰に何を頼むのか。
それを整理する第一歩としておすすめなのが、家系図を書いてみることです。

家系図には、本人と配偶者を中心に、親子・兄弟姉妹の関係を書きます。
上の世代(親・祖父母)は自分より上に。
兄弟姉妹は自分と同じ高さに。
子や孫は自分より下に。
夫婦は名前を並べて二重線でつなぎ、亡くなった方には「(亡)」と添えます。

書き方に厳密なルールはありません。
大切なのは、自分を取り巻く親族関係が「ひと目でわかる」状態にしておくことです。

💡 ポイント

親族には「血縁」だけでなく「結婚による関係(姻族)」も含まれます。
家系図を書くと、相続人になる人や、いざというとき頼れる人が見えてきます。

②「友人・知人」のリストを作る

親族以外にも、自分を取り巻く人間関係があります。
友人、知人、お世話になった方。
頼れる親族が近くにいない場合、いざというときに支えてくれるのは、こうした方々かもしれません。

リストに書くのは、氏名と連絡先だけではありません。
「本人との関係」も、ぜひ書き添えてください。
残された家族が「この人は誰だろう」と迷わずに済むからです。

幼なじみ、学生時代の友人、これまでの人生でお世話になった人。
リストを作っていると、ふと「久しぶりに会ってみたいな」と思う顔が浮かんでくることもあります。
それもまた、終活がくれる小さな贈り物です。

私自身、実家を相続したことで、生まれ育った地元に約20年ぶりに帰ってくることになりました。
さっそく、小学校時代の旧友にメールで連絡。
お互いの安否を確かめ合いました。

ある日、その旧友の実家の近くを通りかかったので、思い切って立ち寄ってみたんです。
すると、ちょうど在宅していて「よう、久しぶり」と。
そのまま、つい話し込んでしまいました。
「今度、時間作って飲みにいこか」と約束して別れた、あの時間。
つながりは、こうして少しずつ、また結び直していけるものなのだと実感しました。

💡 ポイント

友人・知人リストには「氏名・連絡先・本人との関係」の3点を。
残された家族が連絡に困らないための、大切な備えです。

③見落としがちな「保証人」の問題

そして、終活で最も見落とされやすいのが「保証人」の問題です。

保証人が必要になる場面は、意外と多いものです。
お金を借りるとき。家を借りるとき。
そして、病院に入院するときや、施設に入居するとき。

特に高齢になると、入院や施設入居の機会が増えます。
このとき、ほとんどの場合で1人か2人の保証人が必要になります。
その役割は、決して軽いものではありません。

  • 手術や延命治療が必要になったときに、判断や同意のサポートをする
  • 本人が亡くなったときに、遺体や遺骨を引き取る
  • 治療費や施設費が支払われなかったときに、代わりに負担する

病院や施設によっては、保証人に「年齢制限」や「収入の条件」を設けているところもあります。
「同居の親族以外で」と求められることも。
条件に合う保証人が見つからず、希望する医療や介護が受けられない。
そんなケースも、現実に起こっています。

以前、私が働いていた自立支援センターでの話です。
そこには、自閉症などの障害を持つ方が多くいらっしゃいました。
そのほとんどが、言葉での意思表示が難しい方々です。

ところが、法定後見人がついていたのは、わずか1人だけ。
ほかの多くは、親族(主に親御さん)が身元引受人のような立場で記録されていました。

親御さんは、本人より年上です。
当然、いつかは先に亡くなります。
そのとき、残された本人だけで、自立して生活していけるのか。
保証人や身元引受の問題は、決して他人事ではないと、現場で強く感じさせられました。

なお、施設によっては、一定額のお金を預けることで保証人を免除される場合もあります。
元気なうちに「自分は誰に頼めるか」を考えておくこと。
それが、いざというときの安心につながります。

💡 ポイント

保証人は「費用の肩代わり」だけでなく「治療方針の同意サポート」まで求められることがあります。
誰に頼めるか、元気なうちに考えておきましょう。

まとめ|人間関係の整理は「安心」の地図づくり

親族、友人、保証人。
人間関係を整理することは、いざというときに自分と家族を守る「安心の地図」を作ることです。

とはいえ、いきなりリストを書こうとすると、手が止まってしまうもの。
そんなときは、古い年賀状や住所録を引っぱり出してみてください。
一枚ずつめくるうちに、懐かしい顔と、これまでのつながりが、自然とよみがえってきます。
まずは、そんなところから始めてみませんか。

⭐ クイズの答え

答えは③です。
保証人は、費用の肩代わりや治療方針の同意サポートを求められることはありますが、本人の財産をすべて管理する義務があるわけではありません。
財産管理を任せたい場合は、成年後見制度などの別の仕組みを使います。
📗 ら・し・さノートについて

「ら・し・さノート」には、親族・友人・知人の名簿や、保証人に関することを書き残しておくページがあります。
誰に何を頼みたいかを書いておくこと。
それが、残された家族の迷いを減らすことにつながります。

▶ ら・し・さノートの詳細はコチラ

【参考文献】特定非営利活動法人ら・し・さ『ら・し・さノート』/『終活アドバイザー講座~自分らしく今を生きる』
【画像出典】yahooフリー素材から引用

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