生前整理のすすめ~モノの減らし方から価値あるものの扱いまで~

⭐ 今日のクイズ

不用品の処分を遺品整理業者に頼むと、基本的にすべて無料で回収してくれる。〇か×か?
気づけば、家の中はモノであふれている。
「いつか使うかも」と取っておいた服や靴、いただきものの返礼品、子どもが置いていったもの。

でも、そのモノたち。
本当に、これからのあなたに必要でしょうか。
今日は、終活の大切な一歩「生前整理」について、減らし方から価値あるものの扱いまでお話しします。

①なぜ「モノを減らす」のか

モノが多いと、掃除をしてもすっきり片付きません。
そして、見落とされがちな問題があります。
床に置いたモノに、つまずいて転ぶ危険です。

実は、高齢者のけがの半分以上は、家の中で起きています。
安全に暮らすためにも、モノを減らすことは大切なのです。

「モノを減らす」と聞くと、寂しく感じる方もいるかもしれません。
でも、考え方を変えてみてください。
「残りの人生を、好きなものだけに囲まれて暮らす」。
「すっきり片づけて、第二の人生を楽しむ」。
そう思えば、前向きに取り組めるのではないでしょうか。

💡 ポイント

高齢者のけがの半分以上は家の中で発生。
モノを減らすのは「安全」のためでもあります。
「好きなものだけに囲まれる暮らし」と考えると前向きに。

②「残すもの」を基準で選ぶ

モノを減らすコツは、「捨てるもの」ではなく「残すもの」を選ぶことです。
そのために、自分なりの基準を決めましょう。

たとえば「好きなものだけ残す」。
「3年間使っていないものは処分する」。
こうしたルールがあると、判断に迷いません。
大切なのは、闇雲に捨てるのではなく、自分が納得できる物差しを持つことです。

もうひとつの基準が「これからの生活に必要かどうか」です。
退職後は趣味のギターを楽しみたいから、ギター関連は残す。
人が集まる家にしたいから、お気に入りの食器は多めに残す。
今後のライフスタイルに必要なものを取り分け、それ以外を手放していきます。

判断に迷うものは、無理にすぐ捨てなくて大丈夫。
「保留」と書いた箱に入れ、期限(3か月、半年など)を決めておく。
その間に使わなければ手放す。
そんな仕組みを作ると、後悔せずに進められます。
思い出の写真や子どもの作品などは、データ化して残すのもひとつの手です。

💡 ポイント

「捨てるもの」ではなく「残すもの」を基準で選ぶ。
迷ったものは「保留箱」に期限つきで。
すぐ捨てると、後悔や買い直しにつながります。

③いらないものの「処分の仕方」

残すものを選んだら、いよいよ処分です。
モノの処分には、気力も体力も必要。
高齢になるほど億劫になるので、なるべく元気なうちに取り組みましょう。

まずは自分で処分する方法です。
まだ使えるものは、誰かに譲る、バザーに出す、リサイクルショップに売る。
大量のゴミは、自治体に相談して回収してもらう方法もあります。

自分だけで難しければ、人に頼むこともできます。
家族や友人に手伝ってもらう、不用品回収業者に依頼する。
ただし、業者選びは慎重に。

知っておきたいのが、亡くなった後の処分にかかる費用です。
遺品整理業者に頼むと、1Kの部屋で6万円ほど、4DKの一戸建てなら30〜50万円ほどかかります。
「残された家族が片づける」ことを思えば、譲りたいものや処分してほしいものを、今のうちにエンディングノートに書いておくと、その負担をぐっと減らせます。

私自身、実家を受け継いだときに、これを痛感しました。
母が嫁いできたときの嫁入り道具。
大きな箪笥や、たくさんの着物が残されていたのです。

箪笥は、とにかく大きくて場所を取る。
長年の使用で、状態もよくありませんでした。
着物は、小柄だった母のサイズに仕立てられたもので、着られる人がいない。
デザインも、ずいぶん昔のものでした。

そのほかの荷物も合わせると、相当な量です。
私たち家族が引っ越してくるとき、自分たちの荷物が入りきらない。
結局、回収業者に頼んで、実家の不用品をすべて引き取ってもらいました。
その量、なんと2トントラック満載分。
モノを残すということが、どれだけ後の家族の負担になるか、身をもって知りました。

💡 ポイント

処分は元気なうちに。
遺品整理業者は1Kで6万円〜、一戸建てで30〜50万円ほど。
譲り先や処分方法をノートに書いておくと家族が助かります。

④「価値あるもの」は家族に伝えておく

最後に、見落としやすいけれど大事なこと。
宝石や絵画、骨董品、ゴルフやリゾートの会員権。
こうした「価値はあるけれど、わかりにくいもの」です。

「価値があるから、放っておいても誰かが喜ぶだろう」。
そう思いがちですが、実は残された家族が一番困るのが、これらです。
価値が分からなければ、形見にするか、売って相続税にあてるか、判断できません。

鑑定書のない骨董品や美術品は、古美術商などで価値を確認しておく。
会員権は、売却できるのか、運営会社が買い取るのかを確かめておく。
特に会員権には「本人のみ有効」という一代限りのものもあり、相続できないことがあります。
「相続できると思っていたら、権利が消えていた」とならないよう、今のうちに確認を。

これも、私が実際に経験したことです。
母は、記念硬貨を集めるのが好きでした。
いろんな種類の記念硬貨が残されていて、妹との遺産分割でも、それらを分けていきました。

ところが、どれほどの価値があるのか、まったく見当もつかない。
あるとき、地元にテレビの鑑定番組の公開放送が来ると知り、鑑定品を募集していたので応募してみました。
一番高そうに見えた1円銀貨と、金色の盃の2つを。
結果は、見事に落選。

あとでオークションサイトで調べてみると、どちらもさほど価値のないものだと分かり、がっくり。
価値が分からないモノは、こうして残された家族を振り回します。
だからこそ、元気なうちに「何に、どれくらいの価値があるのか」を確かめ、家族に伝えておくことが大切なのだと、しみじみ感じました。

💡 ポイント

宝石・美術品・会員権など「価値がわかりにくいもの」は要注意。
価値と扱い方を家族に伝えておくことが、立派な終活です。

まとめ|整理は、家族への思いやり

モノを減らし、残すものを選び、処分し、価値あるものを伝える。
生前整理は、自分が安全で快適に暮らすためであり、同時に、残された家族への思いやりでもあります。

とはいえ、いきなり家じゅうを片づけるのは大変です。
まずは、引き出しひとつ、棚ひとつから始めてみてください。
古いアルバムや書類を整理していると、忘れていた思い出がよみがえることもあります。
その時間も含めて、生前整理は「これまでの人生を振り返る」豊かなひとときになります。

⭐ クイズの答え

答えは×です。
遺品整理業者の不用品回収は、基本的に無料ではありません。
仕分け・搬出・処分費・人件費などが料金に含まれます。
買取できる価値のある品があれば、その分が一部相殺される程度です。費用の目安を知っておくことが大切です。
📗 ら・し・さノートについて

「ら・し・さノート」には、譲りたいもの・処分してほしいもの・価値ある品のことを書き残しておくページがあります。
保管場所や譲りたい相手、思い出をひとこと添えておくこと。
それが、片づける家族の負担を大きく減らします。

▶ ら・し・さノートの詳細はコチラ

【参考文献】特定非営利活動法人ら・し・さ『ら・し・さノート』/『終活アドバイザー講座~自分らしく今を生きる』
【画像出典】yahooフリー素材から引用

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