家族葬(少人数)の葬儀費用の目安として、もっとも近いのはどれ?
① 10万円前後
② 数十万〜100万円前後
③ 200万円以上
①葬儀の費用は規模によって大きく変わる
父が亡くなったのは、もう十数年前のことです。地元の葬儀社にお願いし、お通夜は関係者なら自由参列、葬儀当日も50名ほどが集まる、そこそこ規模感のある式でした。「お父さんはいろんな方にお世話になった。その方々に見送られて逝ってほしい」という母の意向をくんで執り行ったものです。喪主は高齢の母でしたが、葬儀社との打ち合わせや、参列者への一言など、私が多くの役割を担いました。費用は詳しく覚えていませんが、「数百万円はかかった」と後から聞きました。
それから数年後、今度は母が亡くなりました。母は生前から「自分が死んだら、子供と妹だけに連絡して。他には誰にも言わんといて」とはっきり言っていました。家族だけで静かに見送る、いわゆる「家族葬」です。
葬儀費用の目安は、おおよそ次の通りです。
- 一日葬・家族葬(少人数):数十万円〜100万円前後
- 一般葬(会葬者が多い):100万円を超えるケースが多い
参列人数や祭壇の規模によって大きく変わりますが、「家族だけだから安く済む」とは必ずしも言えないのが葬儀費用の難しいところです。
葬儀費用は「家族葬=安い」とは限りません。参列人数が少なくても、祭壇や設備・サービスの内容によって費用は大きく変わります。
②「言われるがまま」が一番後悔する
母の葬儀では、父の時と同じ地元の葬儀社に連絡しました。父のときと同じ担当営業マンが自宅に来て、パンフレットを広げました。選択肢は「質素な祭壇」と「豪華な祭壇」の2種類だけ。
そのとき、私はうっかり母の話をしてしまいました。「母は花が大好きで、若い頃は未生流家元から免許皆伝をもらったんですよ」と。すると営業マンは間髪入れず「じゃあこちらの豪華な祭壇のほうが、きっと喜ばれますよ」と勧めてきました。
母が生前に残していた葬儀費用では、豪華なほうは予算オーバーです。「これは削ってほしい」「こちらは無しで」と伝えたところ、「そんなことをするとせっかくの葬儀が質素になって、お母様も浮かばれなくなる」と言われ…冷静に判断できないまま、押し切られてしまいました。
人生で一番つらい瞬間に、交渉したり揉め事を起こしたりする気力はありません。相場もわからない、調べる余裕もない。なんとなく「損してるかも」と思いながらも、言われた額を支払う。これが、葬儀費用トラブルの一番よくあるパターンです。
後から届いた支払い明細を見て、思わず声が出ました。母が残していた費用の、60%増しという金額でした。
「何がいくらなのかわからない状態」が、葬儀費用トラブルの一番の原因です。見積書の内訳をしっかり確認することが大切です。
③見積書を「読む習慣」をつけておく
葬儀費用の見積書は、初めて見ると項目が多くて圧倒されます。だからこそ、事前に「見積書を読む習慣」を持っておくことが大切です。
- 提出された見積書の内訳をひとつずつ確認する
- 不明な項目は「これは必須ですか?」「外した場合はいくらですか?」と口頭で聞く
- 可能であれば、やり取りをメモやメールでも残しておく
また、「ネットの口コミだけに頼る」のも注意が必要です。地域や時期によって費用は異なりますし、口コミは個人の主観が強く出ます。複数の葬儀社に見積もりを取って比較することが、本来は一番確かな方法です。
とはいえ、「いざそのとき」に複数社に電話できる心の余裕はなかなかありません。だからこそ、元気なうちに「一度調べておく」「家族と話しておく」ことが、本当の意味での備えになります。
見積書は「なんとなくながめる」のではなく、「自分から聞いていく」姿勢が大切。「これは外せますか?」の一言が、数十万円の差になることもあります。
まとめ
父の葬儀では喪主として奔走し、母の葬儀では予算を超えた請求書に呆然とした。そんな経験から私が感じるのは、「葬儀費用の相場を知っているかどうか」が、その場の冷静さを大きく左右するということです。縁起が悪い話かもしれませんが、いつか必ず訪れるその日のために、ぜひご家族と一度話し合ってみてください。
答えは② 数十万〜100万円前後です。ただし祭壇の種類やオプション次第で大きく変わります。見送る側も見送られる側も、しっかり納得した形でその日を迎えられるように、ぜひ事前に相場を知っておきましょう。
「ら・し・さノート」には、葬儀に関する自分の希望(どんな式にしたいか、呼んでほしい人など)を記しておくページがあります。元気なうちに書いておくことで、残された家族が迷わずに動けるようになります。
▶ ら・し・さノートの詳細はコチラ
【参考文献】特定非営利活動法人ら・し・さ『ら・し・さノート』/『終活アドバイザー講座~自分らしく今を生きる』
【画像出典】yahooフリー素材から引用
50代から始める「自分らしい」老後の設計図~後悔しない終活ロードマップ 
