認知症になったら加害者に?その対策 今日から始められること

⭐ 問題

認知症の家族が事故を起こしてしまった時
家族の賠償責任について正しいのはどれでしょう

①家族なら必ず賠償を負う
②事情によっては家族の賠償責任が認められないこともある
③家族の賠償責任は法律上一切問われない

答えはこの記事の最後で

先日のオフ会で
あるカードを見ながらこんな質問をいただきました

「認知症になったら加害者になってしまうかもしれないと認識し対策をしている」
こんな一文が書かれたカードを見ながら
参加者さんにこう聞かれたんです


「具体的にどんな対策ができるんですか?」

正直に言うと
その場では「損害保険くらいでしょうかね」としか答えられませんでした
終活の話をお伝えする立場なのに
恥ずかしい限りです

このカードの元になっているのは
2007年に愛知県で起きた事故だそうです
認知症のご高齢の男性が線路に入ってしまい
電車にはねられて亡くなった
鉄道会社がご家族に損害賠償を求めた裁判です

ただこれも後で知ったのですが
最終的に最高裁まで争われて
ご家族は賠償責任を負わなくてよい
という判決が出ているんですね

当日は家族が必ず賠償を負うかのような紹介の仕方をしてしまいましたが
正しくはもう少し複雑で
同居していたか
どれくらい介護に関わっていたか
といった事情によって変わってくるようです

そして今回いちばん印象に残ったのは
オフ会に神戸からいらしていた参加者さんのお話でした

神戸市には
認知症の診断を無料で受けられて
診断がつくと市が保険料を負担してくれる制度があるのだそうです
万が一事故が起きたときには
見舞金という形で補償を受けられる仕組みもあるとのこと

「うちの市にはそういう制度があるんですよ」と教えてくださって
恥ずかしながら私はそのとき初めて知りました

損害保険に自分で加入することばかり考えていましたが
まず自分の住んでいる市区町村に
認知症の方向けの制度がないか調べてみる
というのが実は一番手軽な一歩なのかもしれません
神戸市のように独自の制度を持つ自治体は
少しずつ増えているようです

それから
すでに入っている火災保険や自動車保険に
「個人賠償責任特約」というものが付いていて
実は家族の分までカバーされている
というケースも多いのだとか

意外だったのがクレジットカードです
よく持っているカードにも
個人賠償責任保険が付帯されていることがあるそうです
財布の中に1枚や2枚
クレジットカードが入っている方は多いと思いますが
まさかそこに保険がついているとは
私も思っていませんでした

新しく何かに入る前に
まずお手元の保険証券やクレジットカードの付帯サービスを確認してみる
それだけでも十分な備えになるかもしれません

今日のオフ会で答えられなかった宿題を
参加者さんに教えていただいたような形になりました
ありがたいことです


⭐ 問題の答え

②が正解です
事情によっては家族の賠償責任が認められないこともあります

2016年の最高裁判決では
認知症の方と同居していたか
どれくらい介護に関わっていたか
といった事情を総合的に見て判断するという考え方が示されました
今回のケースではご家族の賠償責任は認められませんでしたが
状況によっては認められる可能性も残っています
だからこそ日頃からの備えが大切なんですね

備えというと難しく聞こえますが
まずはご自身やご家族が
今どんな保険に入っているか確認してみる
それだけでも大きな一歩になると思います


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参考文献
コラム:JR東海事件判決と神戸市認知症事故救済制度について(のむら総合法律事務所)
事故救済制度|神戸市 認知症の人にやさしいまち「神戸モデル」
「認知症による事故は家族に監督責任なし」という最高裁判決(国際大学GLOCOM)

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